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2025/09/04 17:52

突然ですが、ドリッパーってどんなの使ってますか?
カリタにハリオにコーノにメリタ、Origami…などなど、全部挙げるとキリがないですが、今回は定番中の定番カリタのお話。
(・Д・) < カリタドリッパーなんざ定番すぎて今更だわー
って思うかもしれませんが、実は同じようにみえるカリタの台形ドリッパーでも材質によって使用感が全然違うんですよね。
材質違いも取り揃えてるようなドリッパー沼にハマりきってる人は読む価値無いかもしれませんが…(^◇^;)
もし興味があったら読み進めてくださいませ!
┃カリタドリッパーの歴史

カリタから公式に歴史が語られていないので、ChatGPTからの情報を参考にしつつざっくりとした歴史認識を。
1960年代に3つ穴の台形ドリッパー(101, 102)が開発されました。
当時は陶器製が主流だったようで、一般家庭向けのプラスチック製やプロ向けの銅製といったバリエーションは後発で出てきたみたいですね。
2010年にウェーブドリッパー(155, 185)が開発され、こちらも材質やデザインを徐々に拡充していった流れのようです。
そして現在では、
カリタドリッパー=「台形」 or 「ウェーブ」
という2つのスタンダードが出来上がりましたとさ。
┃カリタ台形ドリッパーの棲み分け

以前、記事にしたこともありますが、カリタの台形ドリッパーって材質によって使い勝手が違います。
銅製のドリッパーは内面4面のうち2面にしかリブ(溝)が切っておらず、しかもリブがなだらかで低いという点。
逆にプラスチック製のものは内面4面ともにリブが切ってあって、エッジがきつめで高さもあります。

画像で見比べると一目瞭然ですが、よくみると穴のサイズや位置も微妙に違いますね (O_O)
ちなみに実際に使ってみると全然別モノのドリッパーと言っていいほど抽出速度が違います。
銅製にいたっては目詰まりしてしまって落ちなくなることもあるくらいで、買ったばかりの頃は本気で不良品だと思ってました(〃ω〃)
これはあくまで主観なんですが、材質によって用途やターゲットが分けられているのではないかと思うのですよ。
わかりやすく大別するとこんな感じになります。
1.陶器製

愛着のある道具として入手しやすい価格。
陶器なので割れや欠けの可能性はあるものの、業務用として使えるだけの耐久性と質感の良さがあります。
リブは4面すべてに刻まれてはいるものの、エッジはたっておらず程よい湯抜けで注湯の緩急によって味の変化にも対応できます。
事前にしっかりと温めないと抽出温度を損ねてしまうこともあり、抽出の基本をキチンと押さえていることが前提。
原初のドリッパーとあって、中級者〜上級者まで使える汎用性の高いドリッパーだと思います。
2.プラスチック製

非常に安価で扱いやすい廉価モデル。
リブのエッジが立っていて高さもあるため湯抜けが速くスムーズで、点滴抽出などにはあまり向かないように思います。
他の材質のものに比べてボディ感の少ないアッサリとしたコーヒーに仕上がります。
雑に淹れても丁寧に淹れてもコーヒーの変化量が小さく、良く言えば抽出ブレが少ない印象。
一般家庭・初心者向けといった立ち位置のドリッパー。
3.銅製

ドリッパーの値段としては二の足を踏む高価格。
…にもかかわらず扱いが悪いと錆びやメッキ剥がれなども生じる、気を使う材質。
リブは内側4面中2面にしか刻まれておらず、低くなだらかな形状のためペーパーは貼りつきがち。
そのため湯抜けは非常に遅く、目詰まりもしやすいという難点があります。
扱いづらさがある反面、銅の熱伝導率の高さゆえ抽出温度を保つことができ、点滴抽出など高度な抽出方法にもしっかりと対応できる上級者向けのドリッパーだと思います。
扱い慣れると他のドリッパーとは一段違う美味しいコーヒーを淹れられるようになります。
4.ステンレス製

ひとことで言ってしまえば「銅製の廉価版」。
リブは銅製と同じく内側4面中2面で低くなだらかな形状。
銅メッキの熱伝導率の高さこそないものの、抽出のレンジが広く点滴抽出も対応できる中〜上級者向けドリッパー。
錆びやメッキ剥げなどがなく扱いやすい材質で価格的にもそこそこなので、銅製に行く予定がなければこちらがオススメ。
銅製とステンレス製はどちらか1つあれば十分ですが、その他のドリッパーは併存できるくらい違いがあります。
プラスチック製しか使ったことがないという方は、他の材質にステップアップしてみると世界が広がると思います。
┃ウェーブドリッパーってどうよ?

では、もうひとつのスタンダードでもあるウェーブドリッパーも材質間で差があるのか?というと…
こっちはたいした差はありません( ´Д`)y━・~~
せいぜい材質ごとに湯温の保持力が異なるくらいですね。
というのも、ウェーブドリッパーって構造的にドリッパー本体よりもウェーブフィルター(ペーパー)側に機能が偏ってるんですよ。

ペーパーフィルターがギザギザになっているためドリッパーとはほとんど触れ合ってませんからね。
底面がフラットな形状で、3本のドリッパー側のリブによって浮いているような形状なので、ドリッパー本体はフィルターを保持する器にすぎません。
ウェーブドリッパーの評価としては全体的に湯抜けがよく、均等にお湯が浸透することもあって抽出ブレが非常に小さいのが特徴。
湯抜けはいいものの、フラットボトムで湯溜まりができるため、点滴抽出との相性もそれほど悪くはありません。
誰が使っても、どんな淹れ方で淹れても、そこそこ美味しいコーヒーが淹れられる万能ドリッパーといった印象ですが、逆に言えば突出して美味しいコーヒーを淹れるのが難しいドリッパーでもありますね。
とはいえ、質感やデザインが良いものが多いということもあって、ひとつは持っておきたいドリッパーです。
ひとつ難を言うとすれば、専用のフィルターペーパーがそこいらのスーパーでは売られてないので、あまり一般家庭向けではないかもしれませんね。
というわけで、今回はカリタのドリッパーに焦点を当てて解説してみました。
同じカリタ製品でもコーヒーによって使い分けなんてできたら面白いかもしれませんね。
ではでは。