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2025/06/04 18:04



先日、ひっそりと新豆を追加いたしました。



コスタリカ産の "ブラックハニー" です。

…と、さらっと言ってしまいますが、詳しくない人にとっては


(・Д・)< ブラックハニーってなんやねん?



って感じですよね(^_^;)


ブラックハニーというのは、


ハニープロセスという精製処理の段階のひとつ



…なんですが、この一文だけでも専門用語が多すぎるという(^◇^;)

とりあえず順を追って説明していきますね。


┃精製処理とは


コーヒー豆の話題で "精製" って言葉はけっこうよく出てきます。

これはコーヒーの果実からコーヒー豆を取り出して、コーヒー豆の原料である生豆(なままめ)の状態にするまでの工程を指します。

コーヒーの果実というのはコーヒーチェリーなんて言い方もしますが、その名のとおりさくらんぼみたいな見た目の果実で、その種がコーヒーの生豆です。

生豆はパーチメントという薄い殻に覆われていて、その周りをミューシレージという粘着質の甘い蜜で包まれているような状態です。

コーヒーチェリーの実物はそうそう手に入りませんので、AIで断面図の画像を生成してみました。



この「果肉から種を取り出す」過程で果肉にふくまれる味や風味をコーヒー豆に移すことが重要で、それが地域ごとの特徴的な風味(テロワール)にもつながってきます。

とりあえず代表的な3つの精製方法を説明しますね。


・ナチュラル
コーヒーチェリーをそのまま自然乾燥(2〜4週間ほど)させて、干しぶどうのような状態にしてから果肉を剥いで種を取り出す方法。水を使わない精製方法なので、灌漑設備が整えにくい地域で採用されてきた歴史があります。(ブラジル、イエメン、エチオピアなど)

・ウォッシュド
コーヒーチェリーを洗ってから果肉を剥いで発酵槽で発酵処理。そのあとに再度洗浄してから乾燥させる方法。水に浮く欠点豆をまとめて除去でき、先に果肉除去することから虫を寄せにくくなるため高品質な豆に仕上がります。(グアテマラ、コロンビアなど)

・ハニープロセス
コーヒーチェリーの果肉を剥ぐ際に、生豆に付着しているミューシレージを残して、そのまま乾燥させる方法。ミューシレージの除去割合に応じて呼び名が変わります。(コスタリカ、エルサルバドルなど)


ウォッシュドで精製されたコーヒーは先に果肉を除去してしまうため、さっぱりしたクリーンな口当たりと華やかな風味に仕上がります。

一方、果肉やミューシレージが付着したまま乾燥工程を経るナチュラルやハニープロセスで精製されたコーヒーは、甘くフルーティーなコーヒーに仕上がることが多いです。

最近ではこういった精製処理に加えてアナエロビックファーメンテーションやカーボニックマセレーションといった発酵処理や、インフュージョン処理などの付加的な処理を挟むこともあって複雑化していますが、これはこれでまたの機会にでも解説しようかと思います。


┃ハニープロセスの段階


さて、3つの代表的な精製方法がわかったうえで、ハニープロセスの話に戻りましょう。

先ほどのハニープロセスの説明のなかに「ミューシレージの除去割合に応じて呼び名が変わります」という一文がありました。

コーヒーチェリーを潰して種を取り出すと蜜に包まれた生豆が出てくるワケですが、この蜜を何%除去して乾燥工程に回したかで以下のように呼び名が変わります。

ホワイトハニー:ミューシレージ残存率10〜20%
イエローハニー:ミューシレージ残存率30〜50%
レッドハニー:ミューシレージ残存率50〜80%
ブラックハニー:ミューシレージ残存率80〜100%

色が薄いほうがウォッシュドに近いあっさりした明るい風味になり、ブラックハニーに近づくにつれて、甘さや発酵感、ボディが強くなる傾向にあります。

ちなみに上記以外にもゴールデンハニーとかピンクハニーとかクリスタルハニーとか、いろいろ耳にすることはあるかと思いますが…


それらは農園独自のブランディングで勝手に名付けてるだけです(・ω・)b



つまりは公式の精製規格ではありません。

まぁ、言ったもん勝ちってことですね( ´Д`)y━・~~



というわけで、今回はハニープロセスの解説でした。

最初にも言ったようにブラックハニーの豆が入荷してますので、今回の記事でもし興味がわきましたら商品ページの方も覗いてみてくださいね。
ではでは!


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