コーノ式ドリッパーでのコーヒーの淹れ方を解説してみる


コーノ名門ドリッパーって知ってます?


量販店で売られているのをみかけることはないので、「テキトーに買ったら実はコーノだった」みたいなことはないと思いますが、、、


コーヒー好きの知人とか喫茶店のマスターに勧められて、よくわからないけど使ってるって人はいるかもしれませんね。


私はなんとなく世間の評判が気になって買ったクチなんですが、当初はハリオの円錐ドリッパーと同じように扱っていたため、



過抽出になりがちな、ちょっと使いにくいドリッパー



、、、くらいにしか感じませんでした(^_^;)



でも、このドリッパーなかなか理にかなった造りをしてまして、それを活かすには淹れ方にちょっとしたコツがあるのですよ。


おかげで今では私のなかで使用頻度No.1のドリッパーとなっております。飽きっぽい性格なので明日どうなっているかは知りませんがー( ´Д`)y━・~~


というわけで、今回はドリッパーの中でも特に玄人に好まれるコーノ名門ドリッパーについて紹介していきたいと思います。


個人的にはお作法というか「こうしなきゃダメ」みたいなことを言うのは好きじゃないんですけどね。参考程度に読んでいただけると幸いです。




コーノ名門ドリッパーとは


えっと、正確には「KONO名門フィルター」といいます。「コーノ式」なんて言い方もしますね。


珈琲サイフォン株式会社という創業1925年の超マイナーな老舗企業で作られていて、その名のとおりサイフォンのパイオニアです。


もともとはプロ用として販売されていたこともあって現在でもコーノ名門フィルターを愛用しているプロの方は多く、今でも量販店では売られていません。


もし買うならネット通販を利用しましょう。


あ、ちなみにコーノ名門フィルターにはリブの長さや太さ、穴の大きさの違いなんかでいくつか種類が用意されておりまして、今回紹介するのは "MDN-21" という型番です。


他にもアルファベット部分が "MDK" のものはリブが短め・穴小さめの入門者向け。"MD" のものはMDNの前身でリブが太くて長め・穴大きめのものとなっております。


そういう意味では "MDN" というのは中間的なスペックみたいですね。




コーノ式ドリッパーの特徴


コーノ式ドリッパーはリブ(溝)が途中までしかないというのが最大の特徴ですね。2人用サイズのものだとドリッパーの内側1/3くらいまでしかありません。



ペーパーの上半分が隙間なくドリッパーに貼り付くので、コーヒー液が底からしか滲み出ず、上澄みの雑味がコーヒーサーバーに落ちないというワケ。


底の穴はひとつ穴で、HARIOの円錐に比べるとやや小さめです。


先述のとおりペーパーが貼り付いて空気抜けしにくいので、液体の落ちる速度は遅めです。それによりお湯が全体に浸透し、ゆっくりと落ちることになるので点滴ドリップと相性が良いのだと思います。


ちなみにこのドリッパー、使うコーヒー粉の量を基準にリブの長さを設定しているので「1〜2人用」みたいな曖昧な表現はせず、「2人用」「4人用」といった表記になっています。


まぁ、だからといって1人分で抽出できないってわけではないんですけどね(^_^;)




コーノ式ドリッパーの淹れ方のコツ


1. 抽出序盤


ドリッパーにペーパーをセットしますが、合わせ目の折り目をつけて、少し押し込むようにしっかりとセットしましょう。軽く乗せた程度だと、合わせ目の周辺が浮き上がりやすいんですよ。



セットできたら湯通しして器具をあたためます。ついでにペーパーがドリッパー上部に隙間なく貼り付いていることを確認しましょう。



お湯を捨ててコーヒー粉を入れます。


挽き目はペーパー用に中挽きですが、ドリップが遅くなりすぎることがあるので心持ち粗めの方がいいかもしれません。最適な粒度は何度か試して探ってみてください。


さて、普通は「蒸らし」を行うところですが、コーノ式の場合は蒸らしで時間を置いたりしません。ポタポタと点滴で全体を濡らし続けます。



お湯が落ちるのが遅いので粉全体にじっくりと浸透していきます。この淹れ方だと粉がほとんど膨らまないので、気分はあまり乗りませんね(^_^;)



2. 抽出中盤


やがて濃いコーヒー液がポタポタとコーヒーサーバーに落ち始めます。底面に広がってきたら、少しお湯を太めにして、円を描きながら水位を上げていきます。



抽出量の半分くらいに到達するまではコーヒー粉の表面が潤うくらいの水位をキープします。



3. 抽出終盤


抽出予定量の半分を超えたらさらに太く注ぎます。


この辺りまでくると、すでにコーヒーの美味しい成分は出し切っているので、あとは雑味が入らないように薄いコーヒー液で希釈していくようなイメージです。


ドリッパーの上部1/3以上にまで水位を上げます。



写真で見ると1/3を超えてかなりジャブジャブですね。要は雑味の多い上の層をペーパーの貼り付いた部分に収めておきたいワケです。



予定抽出量が近づいたら水位が高いままドリッパーを外します。私の場合は近くにグラスを用意しておいて乗せ替えてます。



例のごとくスプーン等でかき混ぜます。味見をしつつ濃ければお湯を足して濃度を微調整してください。



コーノ専用ペーパーについて


さて話は変わってペーパーフィルターのお話。


ハリオの円錐ペーパーに比べると、コーノ式のペーパーというのはちょっと高いうえに販売店も限られます。ネット通販だと送料が別途かかることもありますしね。


なので、ハリオのペーパーを使うというのもアリです。形や大きさはほぼ同じなので問題なく共用できます。


パッと見は紙質もあまり変わらない気がしますが、ハリオの方は内側がツルツルしてますね。コーノの方は外側と同じく内側もザラザラしてます。


ハンドドリップの場合、日々同じ味に淹れるというのはなかなか難易度が高いので簡単に比較できませんが、毎日交互に使っているとコーノのペーパーの方が美味しく淹れられる率が高いような印象でした。




コーノ名門ドリッパーの残念なところ


個人的に大好きなドリッパーではあるんですが、「ちょっとなー」と思う部分も当然あります。

それは、、、



( ´△`) < プラスチック製しかない



新品はキレイなんですけど、経年劣化でヒビ入っちゃうとちょっと残念な見た目になります。風格?プラスチックだとそんな良いもんじゃないですね。


気に入ってるドリッパーなだけに長い年月、愛着をもって使いたいと思っているのは私だけじゃないはず!銅製とかガラス製とかあったら高くても買うんですけどねぇ(´・ω・`)


そういうとこカリタのTSUBAME製品とか商売上手だなーって思っちゃいますね。


それにしても「プロ用」という名のもと、プラスチック製しかないってのはホント実用性最優先な感じがしますね。


プラスチック製のドリッパーというのは落としても割れないですし、透明だから抽出中も内部の様子が見えますし、リブもキレイな角が立ってしっかり効果が出ますし、抽出中に熱を大きく奪うこともありません。




見た目がアレなのを除けば、実は良いことだらけなんです!

(※皮肉ってるわけではありませんよ)




「質感ガー」とか「持つ喜びガー」とか言う前に、コーヒーにもっと真摯に向き合えってことなんですかね、、、あ、はい、精進します( ;´Д`)



まとめ


というわけで、今回はちょっとだけマニアックなコーノ式ドリッパーのお話でした。


淹れ方にちょっとクセがあるので "初心者向け" というわけにはいきませんが、本格的にコーヒードリップをやっていくなら避けて通れないドリッパーのような気がします。


興味があったら試してみてくださいね。

ではでは。






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自家焙煎珈琲PRIVATE STOCK

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