独自の工程が生み出すオンリーワンの味わい。スマトラ式のコーヒー豆の特徴


4回にわたって説明してきたコーヒー生豆の精製法の解説もようやくラスト!最後はスマトラ式についてですね。

ナチュラル、ウォッシュド、パルプドナチュラル(ハニープロセス)についての以前の記事はこちらからどぞ。




スマトラ式とは

その名の通り、インドネシアのスマトラ島の一部で行われている独自の精製法です。雨季と乾季がある地域ならではの乾燥工程がその個性を生み出しています。


果肉を除去したパーチメントコーヒーを予備乾燥させ、半乾きの状態で脱殻します。その後、生豆の状態で本乾燥して仕上げます。



特徴的なのは生豆の色ですね。ウォッシュドやナチュラルの生豆は薄緑がかったベージュ〜ライトグレーといったところですが、スマトラ式の生豆はややドス黒い深緑色をしています。



スマトラ式の場合、半乾きの柔らかい状態で脱殻するので生豆が傷つきやすく、端が裂けてしまっている豆や、傷口から菌が侵入して変色してしまっている豆が多くなります。


まぁ、端が裂けているだけならたいした問題はないんですが、スマトラ式の豆ってけっこうドギツイ傷み方をしている豆が多いんですよ(-_-;)


ハンドピックするとこんなヤバイ見た目の欠点豆が出てきます、、、


欠点豆が少ないと言われるG-1でも、日本人の求めるクオリティからするとまだまだ。ちゃんとハンドピックしないと怖くて使えません(^_^;)



スマトラ式のコーヒー豆の特徴


スマトラ式ってインドネシア産以外で見かけることがないので、ほぼその地域の豆のイメージみたいになってしまいますが、、、


豆自体の持ち味はアーシー(土っぽい)。ハーブとかクローブのような独特の風味と苦味があり、浅煎りだとシトラス系の強い酸味と風味を感じることができます。


最近ではその独特の風味と強い酸味を際立たせるために浅煎りで提供しているお店も増えてきましたが、一般的には深煎りで提供されることが多い豆です。しっかりとローストしてキャラメル化させることで奥深い香りとコク、甘みを補うことができます。



スマトラ式のコーヒー豆生産が多い国


基本的にインドネシアでしか行われていないと思います(他の地域でもひそかに存在する可能性はありますが、少なくとも私は見たことがありません)。


ただし、インドネシア産とかマンデリンの全てがスマトラ式とは限らないので、そこんとこ勘違いしないでくださいね。



当店で扱っているスマトラ式のコーヒー豆

伝統的なスマトラ式で作られたマンデリンを定番の深煎りにしています。しっかりした苦味とコクがあり、なめらかな口当たり。スイーツとの相性が良いので、おやつのお供にオススメです。



ということで、精製によるコーヒー豆の違いについて長々と解説してきました。


昔は生産国のインフラや環境の都合で精製方法が選ばれていましたが、最近ではバイヤーのニーズに合わせて、味を作るために使い分けたりすることも多くなってきました。精製というのは端的に言ってしまえばコーヒーの実から生豆を取り出すだけのことですが、そのくらい味や香りに与える影響が大きいんです。


今回の一連の記事が皆さんのコーヒー豆選びの指標のひとつとなれば幸いです。

ではでは。

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自家焙煎珈琲PRIVATE STOCK

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